1.国土交通大臣の認定品です。 (認定番号 MSTL−0339)
2.設計基準強度(F値)は従来鋼(BCP325)より約18%高い385N/mm2になっています。
3.SA440鋼のような高強度材に比べて安価です。
4.引張り強度(TS)は550N/mm2であるため、従来鋼並みの溶接性と加工性を有しています。
本材料の溶接施工指針を別途作成していますのでご参照ください。
5.従来鋼に比べて優れた靭性(シャルピー吸収エネルギー)が確保されています。
BCHT385BT、BCHT385CTは平坦部に加え角部の靭性(70J 0℃)を保証した規格です。
また、「マグ溶接熱影響部靭性指標(fHAZ)」を規定することで、溶接熱影響部の靭性の確保を図っています。
6.外径寸法 200~1400mm、板厚 19~50mm が製造可能で、大径、厚肉、多様な絞り形状に対応しています。
4面ボックスから角形鋼管への接合も可能です。
テーパーコアを使用したパネルの設計については、(社)日本建築学会「鋼構造接合部設計指針」が参考になります。
許容応力度の基準強度 | 385N/mm2 |
---|---|
材料強度の基準強度 | 385N/mm2 上記数値の1.1倍以下 |
溶接部の許容応力度の基準強度 | 385N/mm2 |
溶接部の材料強度の基準強度 | 385N/mm2 上記数値の1.1倍以下 |
1面絞り | 2面絞り | 3面絞り | 4面絞り |
---|---|---|---|
種類の記号 | C (%) |
Si (%) |
Mn (%) |
P (%) |
S (%) |
トータルN (%) |
---|---|---|---|---|---|---|
BCHT385B,BCHT385BT | 0.20 以下 |
0.55 以下 |
2.00 以下 |
0.030 以下 |
0.015 以下 |
0.006 以下 |
BCHT385C,BCHT385CT | 0.020 以下 |
0.008 以下 |
種類の記号 | 炭素当量 (Ceq) |
溶接割れ感受性組成 (PCM) |
マグ溶接熱影響部 靱性指標(fHAZ) |
---|---|---|---|
BCHT385B,BCHT385BT |
0.40以下 | 0.26以下 | 0.58以下 |
種類の記号 | 降伏点または 0.2%耐力1) (N/mm2) |
引張強さ1) (N/mm2) |
降伏比1),2) (%) |
伸び1),3) | ||
---|---|---|---|---|---|---|
板厚 t(mm) | 試験片 JIS Z 2201 -1998 |
(%) | ||||
BCHT385B, |
385 以上 505 以下 |
550 以上 670 以下 |
80 以下 | 19≦t≦32 | 1A号 | 15以上 |
32<t≦50 | 4号 | 20以上 |
1)機械的性質は、平坦部の規定値とし、試験片は、圧延方向に対して直交方向から採取する。
2)降伏比=〔(降伏点または0.2%耐力)/引張強さ〕×100
3)4号試験片を用いる場合は、厚さの1/4の位置で採取する。ただし、厚さの1/4の位置で採れない場合には、
なるべくこれに近い位置で採取する。
種類の記号 | 部位 | 試験温度(℃) | シャルピー吸収 エネルギー(J) |
試験片 JIS Z 2242 -2005 |
---|---|---|---|---|
BCHT385B,BCHT385C |
平坦部 | 0 | 70以上 | Vノッチ圧延 方向 |
BCHT385BT,BCHT385CT |
平坦部 及び角部 |
単位%
種類の記号 | 3個の試験の平均値 | 個々の試験値 |
---|---|---|
BCHT385C,BCHT385CT |
25以上 | 15以上 |
(備考) 絞り値は、JIS G 3199−2009の試験によって測定された値とする。
項目及び区分 | 寸法許容差 | |
---|---|---|
辺の長さ | ±1.0%以下 かつ ±3.0mm以下 | |
各辺の平板部分の凹凸 | 辺の長さの0.5%以下 かつ3.0mm以下 | |
隣り合った平板部分のなす角度 | ±1.0度以下 | |
高さ | ±2.0mm以下 | |
厚さ(mm) | 19mm以上25mm未満 | -0.3mm +1.2mm |
25mm以上40mm以下 | -0.3mm +1.3mm | |
40㎜超 50㎜以下 | -0.3mm +1.6mm | |
上下外径差異 | 高さ 1000mm以下 | ±4.0mm以下 |
高さ 1000mm超 | ±5.0mm以下 |
角部外側の曲率半径及び寸法許容差(t:板厚)
項目及び板厚区分 | 角部外側の曲率半径標準値 | 寸法許容差 | |
---|---|---|---|
プレス成形 | 19mm | 3.5t mm | ±0.5t mm |
19mmを超え50mm以下 | ±0.4t mm |
1)角部外側の曲率半径とは、角部外側中心における曲率半径をいう(下図参照)。
2)角部外側の曲率半径の測定は、角部外側中心から両側65度の範囲で測定する(下図参照)。
3)受渡当事者間の協定によって、角部外側の曲率半径標準値より大きな曲率半径とすることができる。
但し、この場合の寸法許容差は上記表による。
外径 D1,d1,D2,d2(mm) | 板厚 t(mm) |
---|---|
200≦D1,D2≦1400 | 19≦t≦50 |
200≦d1,d2≦1400 | |
D2≦D1≦D2 | |
d2≦d1≦d2 |
板厚 t(mm) | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
サイズ(mm) | 19 | 19 <t≦ 22 |
22 <t≦ 25 |
25 <t≦ 28 |
28 <t≦ 32 |
32 <t≦ 36 |
36 <t≦ 40 |
40 <t≦ 45 |
45 <t≦ 50 |
D1とd1の 最大差異 及び D2とd2の 最大差異 |
|
D2 | d2 | ||||||||||
200 ≦D2< 250 |
200 ≦d2≦ 400 |
○ | ○ | ○ | 200 | ||||||
250 ≦D2< 300 |
250 ≦d2≦ 500 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 250 | ||||
300 ≦D2< 350 |
300 ≦d2≦ 600 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 300 | ||
350 ≦D2< 400 |
350 ≦d2≦ 700 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 350 | |
400 ≦D2< 450 |
400 ≦d2≦ 800 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 400 |
450 ≦D2< 500 |
450 ≦d2≦ 850 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
500 ≦D2< 550 |
500 ≦d2≦ 900 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
550 ≦D2< 600 |
550 ≦d2≦ 950 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
600 ≦D2< 650 |
600 ≦d2≦ 1000 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
650 ≦D2< 700 |
650 ≦d2≦ 1050 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
700 ≦D2< 750 |
700 ≦d2≦ 1100 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
750 ≦D2< 800 |
750 ≦d2≦ 1150 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
800 ≦D2< 850 |
800 ≦d2≦ 1200 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
850 ≦D2< 900 |
850 ≦d2≦ 1250 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
900 ≦D2< 950 |
900 ≦d2≦ 1300 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
950 ≦D2< 1000 |
950 ≦d2≦ 1350 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
1000 ≦D2< 1050 |
1000 ≦d2≦ 1400 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
1050 ≦D2< 1100 |
1050 ≦d2≦ 1400 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 350 |
1100 ≦D2< 1150 |
1100 ≦d2≦ 1400 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 300 |
1150 ≦D2< 1200 |
1150 ≦d2≦ 1400 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 250 |
1200 ≦D2< 1250 |
1200 ≦d2≦ 1400 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 200 |
1250 ≦D2< 1300 |
1250 ≦d2≦ 1400 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 150 |
1300 ≦D2< 1350 |
1300 ≦d2≦ 1400 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 100 |
1350 ≦D2< 1400 |
1350 ≦d2≦ 1400 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 50 |
備考
1)
○は適用範囲を示す。
2)
高さ(L)は、85mm以上2000mm以下かつテーパー角度θが57度