あ行
- アースドリル工法 [あーすどりるこうほう]
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ドリリングバケット(回転バケット)を回転させて地盤を掘削し、地上で所定の形状に組み立てた鉄筋を掘削孔の中に建て込んだ後、コンクリートを打設することで杭を築造する工法。表層の地盤崩壊防止のために3m程度の表層ケーシングチューブを設置するが、それより深い部分については必要に応じて安定液を用いる。
- 板巻き鋼管 [いたまきこうかん]
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厚板をロールベンダーやプレスベンダーで円筒状に成形して、両端をアーク溶接により接合した鋼管。
- 一軸圧縮試験 [いちじくあっしゅくしけん]
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通常のコンクリートの圧縮試験と同様に、円柱状の土の試料を軸方向だけに圧縮して破壊に至らせる試験。三軸圧縮試験において、拘束圧が働いていない場合に相当する。周囲からの拘束が無いと、砂のように粘着力が無いか、あるいは粘着力の小さい土の試料は自立できないため、専ら粘性土に対して行われる。
- 一軸圧縮強さ(一軸圧縮強度) [いちじくあっしゅくつよさ]
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一軸圧縮試験によって求められる土の強さ(qu)。試料が粘土でφ=0と考えられる場合には、qu=2c(c:粘着力)という関係が成り立つ。
- 打止め管理 [うちどめかんり]
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杭を最終的にどのような指標・判断基準で打ち止めるかを決めた管理手法。支持層への根入れ長さや、リバウンド量(打撃杭の場合)、施工トルクの発現状態(回転杭の場合)など、工法によってさまざまな管理手法が用いられるため、それぞれの工法や施工地盤の状況などを理解した上で、適切な打止め管理を行う必要がある。
- 埋込み杭工法 [うめこみくいこうほう]
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現場で掘削した穴に、既成杭を挿入して構築する杭工法。中掘り杭工法、プレボーリング杭工法、鋼管ソイルセメント杭工法などがある。
- 液状化 [えきじょうか]
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地震などの影響で地盤内に繰り返しせん断応力が発生することによって、間隙水圧が上昇して有効応力が減少する結果、飽和砂質土がせん断強さを失う現象。せん断強さを失った飽和砂質土は、液体と同じような状態となり、その上にある重い構造物は沈下し、地中にある浄化槽・パイプなどの軽いものは浮き上がるなどの現象を発生する。
- SL杭 [えすえるくい]
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アスファルト塗付杭のことで、特殊なアスファルトを杭周面に塗布した杭である。このアスファルトの粘弾性的な特性によって、杭の周面に作用する負の摩擦力を低減することを目的としている。
- N値 [えぬち]
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地層の硬軟を示す値。標準貫入試験において、重さ63.5kgのハンマーを76cm落下させて試験用サンプラーを、30cm土中に打ち込むのに要する打撃回数。N値は土の硬さや強さを表す指標として良く用いられているが、土の種類(粘土・砂・礫など)や調査深度が違うと、N値が同じであってもその意味には違いがあるので注意が必要である。
- オールケーシング工法 [おーるけーしんぐこうほう]
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孔壁の崩壊を、全長にわたって挿入したケーシングで防止する場所打ち杭工法。ケーシングチューブを地中に圧入し、ハンマークラブによってケーシング内部の土を掘削排土する。掘削後の孔に鉄筋籠を建て込み、ケーシングチューブを引抜きながらコンクリートを打設して杭を築造する工法。
か行
- 回転圧入杭工法(回転杭工法) [かいてんあつにゅうくいこうほう]
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先端にあらかじめ羽根状の板を設けた杭を回転させることで地盤中に貫入させる工法。回転杭、回転貫入杭などともいう。施工の際、杭体に大きなねじり力を作用させることから、本工法はほとんどの場合鋼管杭で用いられるため、「回転圧入鋼管杭工法」、「回転貫入鋼管杭工法」ということも多い。
※NSエコパイルは、この回転圧入杭に分類されます。
- 外部電源方式電気防食 [がいぶでんげんほうしきでんきぼうしょく]
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直流電源装置と補助陽極及び防食する鋼材(被防食体)とで電気回路を作り、直流電源装置から補助陽極(電極)を通して、防食電流を鋼材へ流入させる方法。交流の電気を防食電流の通電に適した直流に変換する整流器と、水中または土中に設置して防食電流を流す電極と、この直流電源装置と電極および被防食体とを接続する配線管によって構成される。外部電源方式は、腐食速度に応じて適用電流密度を調整することができ、電極を定期的に取替える必要が無いので、半永久的な防食を必要とする大型岸壁などに適している。
- 既成杭 [きせいぐい]
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工場で製造し、現場へ運搬して杭施工を行う杭。既成コンクリート杭と鋼杭がある。
- 基礎 [きそ]
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上部構造の荷重を地盤に伝える構造部分の総称。直接基礎(フーチング基礎、べた基礎など)に代表される浅い基礎と、杭基礎(既成杭基礎、場所打ちコンクリート基礎など)に代表される深い基礎に大別される。
- 基礎杭(基礎ぐい) [きそぐい]
-
上部構造物を支える基礎として、地中に設置する杭。
- 基礎の構造形式 [きそこうぞうけいしき]
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基礎を構造形式によって大別すると、一般的には、直接基礎、杭基礎、ケーソン基礎、鋼管矢板基礎、地中連壁基礎に区分される。これらの基礎形式は、基礎が支持する構造物の規模や施工条件等に応じて使い分けられている。
- 極限支持力 [きょくげんしじりょく]
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構造物を支えることのできる、鉛直方向の最大抵抗力。
- 許容支持力 [きょようしじりょく]
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極限支持力を安全率で除した値と、杭材に発生する応力が許容応力度以下になる荷重の小さい方で決まる支持力。
- 杭基礎の分類 [くいきそのぶんるい]
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杭基礎を大別すると、既成杭と場所打ち杭の二つに区分される。既成杭には、打撃杭工法、バイブロハンマ工法、中掘り杭工法、鋼管ソイルセメント杭工法、回転杭工法、プレボーリング杭工法などがあり、場所打ち杭には、オールケーシング工法、アースドリル工法、リバースサーキュレーション工法、深礎工法などがある。
- 杭の引抜き抵抗力(引抜き支持力) [くいのひきぬきていこうりょく]
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杭が抵抗することのできる、上向きの抵抗力。
※NSエコパイルの場合には、杭先端に螺旋状の羽根が付いているため、大きな引抜き抵抗力を発揮することができます。
- 組杭 [くみぐい]
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杭軸の方向が異なる複数の杭を組み合わせて構成する構造。直杭と斜杭の組み合わせや、斜杭と斜杭の組み合わせなどがある。
- 現場円周溶接 [げんばえんしゅうようせつ]
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鋼管杭の施工において、複数本の鋼管を接続しながら杭を打設する場合がある。その際の現場における溶接部を現場円周溶接と呼ぶ。
- 鋼管(鋼管の規格種類) [こうかん]
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鋼を圧延して作られる管型をした部材。製造方法によって、継目無鋼管(シームレス鋼管)、アーク溶接鋼管(スパイラル鋼管、UOE鋼管、板巻き鋼管)、鍛接鋼管、電気抵抗溶接鋼管(電縫鋼管)の分類がある。鋼管杭に使用される鋼管としては、JISS A 5525(鋼管ぐい)やJIS G 3444(一般構造用炭素鋼管)がある。
- 鋼管ソイルセメント杭工法 [こうかんそいるせめんとくいこうほう]
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施工地盤にセメントミルクを噴出撹拌し、ソイルセメント柱の築造と同時または後から鋼管を沈設することで、ソイルセメント柱と鋼管とを一体化させる合成杭工法。鋼管ソイルセメント杭に用いる鋼管は、ソイルセメント柱と鋼管との一体化を確実にするために、外面突起付き鋼管(リブ付き鋼管)を標準としている。
- 鋼杭 [こうぐい]
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鋼により製作された既成杭。円形中空断面の「鋼管杭」と、H形断面の「H形鋼杭」がある。鋼管杭には、杭の先端を閉塞しない「開端杭」と、杭先端に蓋をした「閉端杭」がある。
- 洪積層 [こうせきそう]
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2万年~200万年前に形成された地層。沖積層と比べて地盤沈下や液状化などを起こしにくく、構造物の基礎を支える良好な地盤とされている。
- 孔内水平載荷試験 [こうないすいへいさいかしけん]
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サウンディングの一種。ボーリング孔内において孔壁を加圧することで、地盤の変形係数を求める試験としてよく用いられる。試験要領としては、軸径が加圧により膨張する測定管を試験孔に挿入し、段階載荷試験を行う。
さ行
- サウンディング [さうんでぃんぐ]
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抵抗体をロッドなどの先端に取り付けて地中に挿入し、測定した貫入、回転、引抜きなどの抵抗から土層の性状を調査する方法。測定操作から静的サウンディング(抵抗体を圧入する場合の抵抗を測定するのが一般的で、ポータブルコーン貫入試験、オランダ式二重管コーン貫入試験などがある)と、動的サウンディング(標準貫入試験が代表的)に大別される。
- 残土処理(残土処分) [ざんどしょり]
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杭工事を行うことによって、地中から掘り上げた掘削残土(建設残土)が発生する(杭施工に用いたセメントミルクなどが混入している場合もある)。この残土は産業廃棄物の対象となる場合があるので、場外処理を行う際には関係法令を遵守して適切に処理することが必要である。
※NSエコパイルの施工(回転圧入施工)では、掘削残土を発生しない無排土施工を行うので、残土処理は不要です。
- 試験杭 [しけんぐい]
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基礎杭の本工事の前に、杭の打設作業(作業性、支持層確認方法、打ち止め方法など)を検討・確認するために施工する試験用の杭を「試験杭」と称する。実際には、本工事の打設開始1本目を試験杭とみなして施工を実施するのが一般的である。支持層や中間層の状況が、地盤調査結果通りかを確認する事も目的のひとつであることから、設計で用いた土質柱状図のボーリング位置に近い場所の杭を試験杭とするのが一般的である。
- 支持杭 [しじぐい]
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先端を堅固な支持層まで到達させて、周面摩擦力と先端支持力の両者を期待する杭。
- 支持層 [しじそう]
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上部構造物の荷重を安全に支えることのできる良好な地盤。直接基礎では、基礎底面下部の地盤であり、杭基礎では杭先端の地盤のが支持層になる。
- 支持力 [しじりょく]
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地盤に荷重を作用させると地盤は変形し、荷重を増加させると変形は大きくなり、最終的には破壊に至る。一般的に地盤が上載荷重を支える能力を支持力という。 特に、破壊時の支持力を極限支持力と呼び、極限支持力を適切な安全率で割ったものを許容支持力という。
- 斜杭 [しゃぐい]
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垂直に対して傾斜した角度を持たせて施工する杭。上部構造からの水平力を、杭の軸力で負担させることが出来るため、水平変位を小さく抑えられる。
※NSエコパイル工法では傾斜角度10度程度の斜杭施工が可能です。
http://www.eng.nssmc.com/news/detail/58
- シルト [しると]
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土粒子の粒径による区分名で、日本統一分類法では、粒径が5~75μmの土粒子のこと。
- JASPPジョイント [じゃすぷじょいんと]
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鋼管杭の現場円周溶接継ぎ手の標準仕様として、鋼管杭協会によって定められたものであり、JIS A 5525(鋼管ぐい)にも採用されている。
- 重防食鋼管杭 [じゅうぼうしょくこうかんくい]
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鋼管杭の外面にポリエチレンあるいはウレタンエラストマーを工場で塗覆したもので、通常、腐食性の厳しい飛沫帯から平均干満面直下まで、あるいは飛沫帯から海底面直下までを被覆範囲としている。
- 砂 [すな]
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土粒子の粒径による区分名で、日本統一分類法では、粒径が75μm~2mmの土粒子のこと。
- スパイラル鋼管 [すぱいらるこうかん]
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コイル状に巻かれた鋼帯を使用し、成形装置によって鋼帯を連続的に螺旋状に成形しながら製造する鋼管(トイレットペーパーの芯と同様のイメージ)。製造する管の直径は使用する鋼帯の幅と螺旋巻きの角度によって調整する。管状に成形された鋼帯の接合部は、自動サブマージアーク溶接によって、内面及び外面から連続して溶接される。
- ずれ止め [ずれどめ]
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上部構造物からフーチング及び中詰コンクリートを介して伝わる荷重を杭に伝達させるために、杭頭部内側あるいは内外に設けられたリング状の鋼帯。曲げ加工した平鋼を現場で取り付けるのが一般的である。
- 静的コーン貫入試験(CPT) [せいてきこーんかんにゅうしけん]
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底面積10cm2のコーンを一定速度(1~2cm/s)で地盤に貫入しながら、コーン貫入抵抗値、摩擦抵抗値、コーン貫入時過剰間隙水圧を連続的に測定する方法。静的コーン貫入試験をCPT(Cone Penetration Test)と称することもある。
た行
- 打撃杭工法 [だげきくいこうほう]
-
油圧ハンマー、ディーゼルハンマーなどで既成杭(既成コンクリート杭、鋼管杭)を地中に打ち込む工法。
- 地中熱 [ちちゅうねつ]
-
比較的浅い地中に存在する比較的温度の低い熱のこと。よく似た言葉に「地熱」という言葉があるが、これは火山活動などの地球内部を発生源とする熱であるのに対して、「地中熱」は太陽光(太陽エネルギー)に由来する熱である。
- 地中熱利用 [ちちゅうねつりよう]
-
地中の温度は大気の温度変化の影響を受けにくく、一年を通してほぼ一定である。これによって発生する地上と地中の温度差を活用して、冬場に地中から熱を取り出す(暖房)、あるいは夏場に地上の熱を地中に放出する(冷房)という形で利用すること。近年、元々地中に設置される杭を用いた地中熱利用システム(建築物の冷暖房の他にも融雪など)も開発されている。
※日鉄エンジニアリングでも、鋼管杭を用いた地中熱利用システムを開発しています。
http://www.eng.nssmc.com/news/detail/81
- 中間層 [ちゅうかんそう]
-
層厚が比較的薄く、比較的浅い位置にある硬い層。上部構造物の規模によっては、支持層とすることもできる。
- 鋳鋼 [ちゅうこう]
-
鋼の一種で、鋳型に流し込んで成型(鋳造)された鋼のこと。初めから製品そのもの、あるいは製品に近い形状に成形することができるため、形状の複雑な部材に用いられることが多い。
- 沖積層 [ちゅうせきそう]
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約2万年前以降に堆積した、比較的新しい地層であり、一般的に軟弱層であることが多い。
- 継ぎ杭 [つぎぐい]
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支持層が深く必要な杭長が長くなる場合には、既成杭を適当な長さに分割して工場製作し、現場で必要な長さになる様に順次継ぎ足しながら杭の打設を行う。継ぐことによって一本となった杭を継ぎ杭と呼び、継ぎ杭を構成する各々の杭体を、最下部のものから順に下杭、中杭、上杭という。上下の杭の接合は、一般的には溶接で行うことが多いが、近年は杭の端部にあらかじめ取り付けた接合用の金物によって機械的に接合させる機械式継手を用いることも増えている。
- 電気防食 [でんきぼうしょく]
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腐食の原因となる鋼材表面の局部電池による電位差を、外部からの電流によって平衡電位までに変化させることにより、腐食が生じ難くする方法。電気防食には、防食電流を直接供給する外部電源方式と、金属のもつ電位差(異種金属間電位差)を利用して防食電流を得る流電陽極方式とがある。
- 電食 [でんしょく]
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外部の直流電源に由来する電流が金属に流入し、その流入した電流が土壌へ流出するときに、イオン化した金属が溶出する現象(腐食)を電食と呼び、電気分解の一種である。電食の原因としては、直流電気鉄道のレールから漏れ出した電流(迷走電流)がよく知られている。
- 電縫鋼管 [でんぽうこうかん]
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コイル状に巻かれた鋼帯を引き出しながら、板の幅方向を円形に成形して製造する鋼管。管状に成形された鋼帯の溶接は電気抵抗によって行われ、ストレートシームとなる。
な行
- 中掘り拡大根固め工法 [なかぼりかくだいねがためこうほう]
-
杭中空部にスパイラルオーガーなどを挿入し、杭先端からオーガー先端を突出させて杭先端の地盤を掘削し、杭の重量および施工機による圧入により所定深度まで杭を沈設する。その後オーガ先端の拡大ビットまたは高圧ジェットにより杭径以上の拡大球根部を掘削すると共に、オーガー先端から根固め液を注入し拡大球根部を築造する工法。
- 中掘り工法 [なかぼりこうほう]
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先端解放の既成杭の内部にスパイラルオーガーなどを挿入し、オーガーヘッドで先端部の地盤を掘削しながら杭を所定の深度まで沈設した後、所定の支持力が得られるように先端処理を行う工法。先端処理の方式として、最終打撃方式、セメントミルク噴出撹拌方式、コンクリート打設方式などがある。
- 中掘り最終打撃工法 [なかぼりさいしゅうだげきこうほう]
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既成杭の中空部にスパイラルオーガーなどを挿入し、オーガーヘッドで杭先端部の地盤を掘削、排出して杭の押込み抵抗を軽減させ、圧入装置や杭打ち機のウインチの力で杭を地中部に圧入した後、所定の支持力性能が得られるように杭をハンマーで打撃して打止める工法。
- 軟弱地盤 [なんじゃくじばん]
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やわらかい粘土やゆるい砂などから成る、軟弱な地盤の総称で、構造物を直接支持させることが出来ないような地盤。明確な定義ではないが、一般的に地耐力が2~3t/に満たない地盤を指すことが多い。他に、軟弱地盤の目安として砂地盤でN値10以下、粘土質地盤でN値4~6以下とする例もある。
- 根入れ [ねいれ]
-
杭、基礎、擁壁などを地中部分に埋設させること。 杭の支持層根入れという場合には、支持層へ杭先端を埋設させること。
- 粘土 [ねんど]
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土粒子の粒径による区分名で、日本統一分類法では、粒径が5μm以下の土粒子のこと。
は行
- ハンマー [はんまー]
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打撃杭工法で杭を打ち込む装置。ハンマーの種類としては、ディーゼルハンマー、油圧ハンマー、ドロップハンマー、気動ハンマーなどがあるが、現在ではディーゼルハンマーに比べ油煙の飛散が無く、騒音振動の小さな油圧ハンマーが多く使用されている。
- バイブロハンマー [ばいぶろはんまー]
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互いに組となる偏心重錘を同位相で反対方向に回転させて、杭に上下振動を与えて杭を打設する装置。
- 場所打ち杭工法 [ばしょうちくいこうほう]
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機械あるいは人力で穴を掘削し、現場で鉄筋コンクリート杭を築造する工法。深礎工法、アースドリル工法、リバース工法、オールケーシング工法などがある。
- 場所打ち鋼管コンクリート杭 [ばしょうちこうかんこんくりーとくい]
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従来の場所打ちコンクリート杭の耐震性を向上させるために、杭頭部など曲げモーメント、せん断力の大きい部分を鋼管コンクリートにした複合場所打ち杭。
- パイルドラフト基礎(Piled Raft基礎) [ぱいるどらふときそ]
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直接基礎と杭基礎との間に位置づけられる併用基礎の一つであり、両者が一体となって上部構造からの荷重を地中に伝達する基礎形式。杭基礎の設計では基礎スラブ底面の地盤の抵抗力を無視するのが原則であるが、パイルドラフト基礎では基礎スラブ底面における地盤の抵抗力を積極的に期待し、構造物に対する要求性能を満足させる範囲の沈下を許容する。杭(パイル)と基礎スラブ(ラフト)底面の両者の寄与を見込むことから、Piled Raft 基礎と呼ばれる。
- 被圧地下水(被圧水) [ひあつちかすい]
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上下が不透水層に挟まれた透水層にあり、大気圧よりも大きな圧力を受けている地下水。地上からこの層まで孔を掘ると、圧力によって水は孔をのぼり、地上に噴出(自噴)することもある。自噴するような被圧水のある地盤に対しては、地盤に穴を掘ってから杭を築造する場所打ち杭やプレボーリング杭、中掘り杭などの杭工法は、施工中に被圧水が地上に噴き出す恐れがあるため、適用には注意が必要である。
※NSエコパイルは地盤に杭をねじ込む回転圧入工法であることから、被圧地盤においても施工中に地下水の噴出する可能性が低く、被圧地盤に対して適用性の高い工法として分類されています。
- 被覆防食 [ひふくぼうしょく]
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鋼管を被覆材によって被覆することで防食する方法。有機被覆(塗装、ポリエチレンなど)、無機被覆(金属被覆、非金属被覆)及びこれらを組み合わせた複合被覆がある。
- 標準貫入試験(SPT) [ひょうじゅんかんにゅうしけん]
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動的サウンディングの代表的なもので、地層の硬軟の指標となるN値を求めるために行う試験。ボーリング孔を利用し、ロッドの先端に標準貫入試験用サンプラーを付けたものに、重さ63.5kgのハンマーを76cmの高さから自由落下させ、サンプラーを30cm貫入させるのに要する打撃回数(N値)を測定する。標準貫入試験をSPT(Standard Penetration Test)と称することもある。
- PHC杭 [ぴーえいちしーくい]
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プレストレスト高強度コンクリートパイル(PHCはPrestressed High-strength Concreteの略)
- 腐食代(腐食しろ) [ふしょくしろ]
-
鋼管杭を打設した後の腐食による金属の減耗分を見越して、設計時に増やしておく厚みのこと。通常の使用条件であれば腐食代=1mmとすることが多い。
- 腐食対策 [ふしょくたいさく]
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腐食対策には、防食法と腐食代(腐食しろ)がある。防食法を大別すると、被覆防食、電気防食、耐食材料の使用、環境制御の4つに分けられる。
- 不同沈下(不等沈下) [ふどうちんか]
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同一の建物や構造物において発生する不均一な沈下のこと。不同沈下が発生すると、建物が傾いたり、道路面に凹凸や亀裂を生じるなど、居住性や安全性に問題を引き起こす。
- 負の摩擦力(ネガティブフリクション) [ふのまさつりょく]
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地盤沈下を起こすような軟弱地盤に打設された杭の場合、周囲の地盤が沈下することによって杭体には下向きの摩擦力が作用することがある。この下向きの摩擦力を負の摩擦力(ネガティブフリクション)という。 地盤が沈下しない場合には、杭周面の摩擦力も杭に作用する上部構造物からの荷重を支える方向(上向き)の正の摩擦力となる。負の摩擦力は杭に対しては荷重として作用することになる。
- 不陸 [ふりく]
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面がが平滑ではなく凸凹していること。又は水平でないこと。
- プレボーリング拡大根固め工法 [ぷれぼーりんぐかくだいねがためこうほう]
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掘削液を注入しながらオーガーによって所定深度(支持層)まで地盤を掘削した後、根固め液を掘削先端部へ注入する。その際に、拡大ビットなどにより、杭径よりも大きな球根部を築造する。オーガーを引き上げながら杭周固定液を注入し、杭をこの掘削孔に建て込み、杭自重または杭を回転することで所定深度に定着させる工法。
- プレボーリング根固め工法 [ぷれぼーりんぐねがためこうほう]
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一般にセメントミルク工法と言われている。掘削液を注入しながらオーガーによって所定深度(支持層)まで地盤を掘削した後、根固め液を掘削先端部へ注入する。その後、オーガーを引き上げながら杭周固定液を注入し、杭をこの掘削孔に建て込み、圧入または軽打により根固め液中に定着する工法。
- 閉塞効果 [へいそくこうか]
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鋼管杭には、杭の先端に蓋をした閉端杭と、杭の先端に蓋をしない開端杭がある。開端杭では杭を地盤に打設する際に、土が杭鋼管の内部に入り込み、杭先端が土によって栓をされて塞がれた状態になる。この状態を閉塞効果と呼んでいる。閉塞効果によって閉端杭と同等の先端支持力を発揮する状態になっている場合を、閉塞効果が100%発揮された状態といい、下回るときは不完全閉塞効果の状態にあることになる。
ま行
- マイクロパイル [まいくろぱいる]
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杭径300mm以下の場所打ち杭・埋込み杭の総称。その中でも特に、地盤に小口径の削孔を行い、その中に異形棒鋼、鋼管などの鋼製強材を挿入し、グラウトを注入して築造する場所打ちまたは埋込みによる直径300mm以下の小口径杭を指すことが多い。
- 摩擦杭 [まさつくい]
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先端を比較的軟弱な層内に留めて、主として周面摩擦を期待する杭。
- 迷走電流 [めいそうでんりゅう]
-
どこかの設備から直流電流が漏れ出して、土壌や水中を流れていることがよくある。このように正規の回路から外れて流れる電流のことを迷走電流という。代表的なものは、直流電鉄のレールから漏れ出す迷走電流であるが、この他に接地した直流電源、直流溶接機などから生ずることがある。これらの直流電源から大地に流れ出した電流が、その近傍に埋設された鋼管などの金属体に流入し、金属体を通ってある場所で大地に流出するときに、流出部の金属体に腐食を引き起こす現象を迷走電流による腐食(迷走電流腐食)と呼ぶ。
や行
- やっとこ [やっとこ]
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杭頭部を地中(地面より下)に打設するために用いる、鋼管製の仮杭(治具)。
※NSエコパイルの施工で用いている「やっとこ」はこちら
- UOE鋼管 [ゆーおーいーこうかん]
-
厚板を特殊なプレス機で「U」字状に成形し、次いで「O」字状(円形)に成形して、接合部をアーク溶接した後、内側からエキスパンダーで拡張(E)して所定の寸法に仕上げた鋼管。
ら行
- リバース工法 [りばーすこうほう]
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スタンドパイプを建て込んで孔内に水を満たし、この水位を地下水位より2m以上高く保ち、孔壁に対して水圧を作用させることで孔壁の崩壊を防止しながら、ドリルパイプを介して掘削土砂と水を吸い上げ排出する。排出した水は地上で土砂と分離した後、孔内に循環させる。削孔後鉄筋籠を建て込み、コンクリートを打設して杭体を築造する工法。
- 流電陽極方式電気防食 [りゅうでんようきょくほうしきでんきぼうしょく]
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金属のイオン化傾向の高低を利用したもので、鋼よりイオン化傾向の高い金属を鋼材とつなぎ、鋼がイオン化(腐食)する代わりに、それらの金属がイオン化することにより鋼材の腐食を防ぐ方法。鋼よりも低い電位を持つ亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、あるいはこれらの合金(流電陽極と呼ぶ)と、流電陽極と被防食体とを接続する電線などで構成される。流電陽極方式は、外部電源方式と比較して施工が簡単で、設備費もあまりかからず、維持管理もそれほど必要としない。
- 礫 [れき]
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土粒子の粒径による分類名で、日本統一分類法では、粒径が2mm~75mmの土粒子のこと。